”悪玉”コレステロールという冤罪
コルステロールほど誤って理解されているものはない。更にLDLコレステロールは『悪玉コレステロール』などという印象の悪い名称までつけられており著しく不当にその評価を下げられている。
コレステロールは実は、口から食べるものからの摂取量よりも体内(肝臓)で作られるほうが多い(食物から摂取するコレステロールは約20%)。日本人で食べ物から摂取するコレステロールで病気になる人はほとんどいない。
細胞膜の修復の材料であるコレステロールが不足すると肝機能にも問題を生じ、免疫低下、血管脆弱化、脳出血も起こりやすくなり、癌にもなりやすくなる。
1970年代のアメリカで肥満と心血管病が増加し、その動脈硬化で血管にたまっていたコレステロールを見つけたことで、悪者にされたが、コレステロール自体は、炎症で傷ついた血管を守っていたのであり、炎症の原因はトランス脂肪酸や高血糖などで、別の原因であった。
でもすでに悪者の印象が付いてしまっているコレステロールを、そのまま悪者にしておいた方が都合のいい産業があるのである。
代謝という化学反応
脂肪分を食べることは悪ではない。脂肪が体内に蓄積してしまうメカニズムを理解せず過剰に蓄積させてしまうことが悪なのである。
体の中では代謝という化学反応が起こり続けている。口から摂取したものがそのままの形で体を作るわけではない。摂取した脂肪酸もそのままの形で運ばれ、ましてやそのままの形で体脂肪になっていくわけではない。
脂肪をなくして見栄えのいい体にしたい、という欲求が、つい短絡的に脂肪分の摂取を避けようとしてしまう。そして脂肪分を摂取することに罪悪感を感じ、その罪悪感を癒すために健康食品・ダイエットフード産業が働きかける。
しかしそもそも食物から脂肪分をとることは罪ではなく、むしろ必要な種類の脂肪酸は全然足りていないことの方が多い。
ただ、そんな脂肪の中でもトランス脂肪酸はNG。そしてオメガ6は積極的には摂らない方がいい。