食事と栄養摂取で、10歳若返り!最高の体調になる方法

私は今から30年近く前の12歳(1992年頃)の頃からプロテインを摂取している。当時のプロテインは大豆由来のものしかなく、水に全く溶けず、味も最悪に不味かった。大きなドラッグストアまで行って買っていた。ビタミン剤も一緒に買っていたが、それらビタミンが何に効果があるのかまではよく分かっていなかった。身長を伸ばしたい&筋肉をつけたい、と思っていたので、とりあえずカルシウムとタンパク質だろうと思って、それらを買っていた。栄養に関する情報も乏しい時代である。本屋に行って栄養関連の本を探しても、今とは随分と違って、簡単な内容しかない。栄養バランスが大事ですよ、くらいのノリである。

アスリートは食事も仕事である。栄養補給をすることで体は作られる。しかし当時はなんでもいいからたくさん食べることくらいしか言われていなかった。コーチや監督などの大人でさえも栄養に関しては無頓着・無知であった。食事は家庭の問題だ、くらいの温度感だった。

私達は食べたものでできている。
私たちの体は食事の影響を最も大きく受ける。
にもかかわらず食事に徹底的にこだわっている人は少ない。
栄養学というものはある意味でねじれてしまっており、食品業界や製薬メーカーのプロパガンダによって、実際の効果がないどころか害を及ぼす結果を生んでしまっている。

誰もが健康でありたいと願っている。
その欲求につけこんで、効果の検証も十分にされていないようなサプリメントを「天然由来」だとか「有名人があの人も愛用」だとかで、イメージを先行させて一過性のブームを作り上げて、一気に荒稼ぎして、売り逃げようとする健康食品業界は次なるブームを探している。
健康食品業界は、サプリメントのクオリティを上げることにお金を使うよりも、広告宣伝費に多くのお金を投じて、プロモーション合戦に興じている。

なので、栄養に対する情報や、薬に対する情報というのは、消費者である私たちが自らで判断することが必要となるが、インターネットで論文を検索しても、業界関係者がスポンサードして資金提供によって歪められている研究結果ばかりが出てきてしまうのでは、 参考にならないばかりか判断を誤ることになってしまう。
遠回りに思うかもしれないが、地道に医学、生物学(特に内分泌学)を学び、栄養学に繋げていくことで、正しい判断が下される可能性を高めていくしかない。

一般に正しいとされている栄養学も、様々な観点から検証してみると、大きく歪んでいることがわかる。
栄養学の基礎をなす栄養とは、三大栄養素である、脂質、タンパク、炭水化物、からスタートし、ビタミンとミネラルを定義している

栄養学にも色々な流派があるが、三大栄養素一つとっても、どのようなバランスで食べればいいかも、統一の見解を得ていない。
そしてビタミンやミネラルの必要摂取量や最大摂取量についても、その基準ができた経緯を探っていくと、雲行きは怪しくなってくる。

ビタミンの必要量は人によって違う。
にもかかわらず、万人が摂取しても絶対に安全と思われる量を『最大』摂取量としているのである。
そして推奨摂取量はそれよりも少ないことになり、本来、人間の健康を増進させるのに必要な栄養素の量を満たせていない。
なので、厚生労働省の推奨量というのはあまりにも少なすぎるのである。
それによって、質的栄養失調が起こる。
栄養というのは、その人にとって必要水準があり、それに少しでも足りないと全く効果がない。
なので、推奨量をきちんと摂っているという人でも、全く栄養の足りていない状態が起こり得る。
特にさまざまな種類のビタミンやミネラルが入った、マルチビタミンサプリメントは、厚生労働省の推奨量をベースに配合されているので、それぞれの栄養素があまりにも少なすぎて、摂取しても全くの無駄である。
マルチビタミンサプリメントはお金の無駄だと言われる所以である。
かなり熱心にサプリメント揃えて毎日厚生労働省の推奨量をまじめに摂取していたとしても、栄養不足の状態になってしまうのである。
白米やパンやパスタなどをたくさん食べていたとしても、ビタミンやミネラルはほとんど入っていない。
食事の量は多いのに、質的な栄養失調になるのである。
現代の食事では、糖質が多すぎる。
タンパク質不足、脂肪不足、ビタミン不足、ミネラル不足、という、食べても食べても栄養不足が解消されないという食べることで健康を害する状態になっている。

人類の歴史上いちばん長い期間食べているものが、一番うまく適応している食物で、健康には一番良いはずだ。
では人類は何を食べていたのか。
私たちの祖先と広く認められている動物は、雑食性動物である。
最初のヒト属の祖先は、約250万年前にアフリカに出現した。
その後私たちの祖先は、寒い地域に移って肉食になった。90万年ほど前、地球がかなり寒冷化したため、生き延びるために食料として獲物を狩って肉食になっていったと考えらている。
およそ1万年前の、進化の観点から見るとごく最近にようやく、農耕によって穀物を食べるようになった。
家畜を飼育し、それによって乳製品を食べるようになったのは、さらに5000年後である。
地球上に現れてから大部分の期間、人間の食事は狩猟と採集によって手に入る食物だけで成り立っていた。
狩猟採集民の祖先の食事は、肉や魚をメインに食べていた。
今の私たちの食生活では糖質を主食として一番多くの量を食べているが、それは1万年前に始まった農耕により、糖質摂取が一気に増えたことがきっかけであり、本来人類は長い歴史の中ではケトン体が主たるエネルギーだったのである。

ではどのようにしてメインエネルギーにできるほどのケトン体の量にまで増やしていけばいいのだろうか。

糖質の摂取をやめることである。
糖質の摂取をやめない限り、ケトン体の生成量は増えない。
糖質の摂取をやめると、ケトン体の作られる準備が整う。
そのケトン体は肝臓で脂肪酸から作られる。
体脂肪を分解して肝臓に流し込み、ケトン体を作るのである。
肝臓におけるグルコースの量が体脂肪の分解を調節している。
糖質の摂取をやめめて肝臓のグルコースを減らせば、脂肪分解を引き起こしやすくなる。
摂取カロリーが少なくても糖質摂取が多く、肝臓にグルコースが多いと、脂肪分解は起こりにくくなる。

昨今はロカボブームで糖質制限は人気だが、そのような糖質制限で一番多い間違いが、脂肪を摂取しないことである。
ダイエット目的で始める人が多いため、体脂肪を減らしたい願望に引きずられて、脂肪の摂取を嫌がってしまう。
ケトン体が作られるためには脂肪が必要である。
脂肪が足りず、糖質も制限している場合、タンパク質を頭に変える糖新生ばかりが活発になる。
これでは筋肉が落ち、リバウンドしてしまう。
低血糖を起こす恐れもある。
糖質の摂取を止めて脂肪を積極的に摂ろう。
そうすればケトン体が生成できるようになってくる。
ただその場合も、十分なビタミンとミネラルを摂ろう。

ビタミンとミネラルが足りなければ脂肪酸からケトン体をうまく作れない。
糖質制限は、糖質だけを制限すればいいと吹聴されているが、十分な脂肪とビタミンとミネラルを摂取した上で、糖質を制限する必要がある。

そして体を作っているのはタンパク質なので、タンパク質も制限してはいけない。
ケトジェニックダイエットという脂質、たんぱく質、糖質のバランスについてコントロールをするダイエット法もあるが、そのケトジェニックダイエットに倣って、それらのバランスをとっているにもかかわらずうまくケトン体が出ないのは、ビタミンとミネラルが足りないからである。
そして脂肪酸を肝細胞に入れるために必要となるのが L −カルニチンである。
L− カルニチンも積極的に摂ろう。
それ以外にも代謝をスムーズにするためのRアルファリポ酸、コエンザイム Q 10も摂っておいた方がいい。

健康で長生きするための食事とは、まず糖質の摂取をやめること、そして十分な量のビタミンとミネラルを摂取すること、良質の脂質とタンパク質を摂取すること、である。

糖質を多く摂取すると老化が進む。
エネルギー代謝を、糖質回路ではなくケトン体回路にしよう。
ビタミン・ミネラルを多めに摂ろう。
脳の老化を抑えて健康寿命引き延ばそう。
食事によって脳の限界を超えよう。

さらに詳しくはこちらの書籍内で解説しています

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